以上、辛口に長々と批判を致しましたが、本著は全体としては斬新で面白いです。分析上問題のある箇所が多々あるものの、掘り下げていったら面白いのでは??という論点が掲示されていてgoodです。そして、本著は初級マクロ経済分析の枠組みで考えるなら興味深い内容であるし、何よりも現在の日本経済や世界経済の問題を考えるのに非常に簡単で扱いやすい指針を与えるものであると思います。将来より理論的に掘り下げて整備された議論が続編として出版されることを期待したいです。 posted by 熱血、経済学院生 [2009-09-25]
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通俗的なケインジアン経済論+論理的短絡(評価点:1)
ちょっと期待して読んだのですが、期待はずれでした。「主問題経済vs双対問題経済」と経済の局面を対照をなす2つの局面に分けて考えるのは、理解できます。要するに経済成長局面と不況・恐慌局面では経済主体の行動選択の優先順位が異なっていることを指摘しているわけです。しかし、そこで展開されるのは、古典派、あるいは新古典派に対する過去の通俗的なケインジアン経済論の繰り返しに過ぎません。
自由貿易が経済全体の富を最大化する論拠であるリカードの比較優位・比較劣位の考え方は、経済成長局面では成り立つが、不況局面では成り立たなくなるという主張は、どう読んでも説明不足で、納得できませんでした。そこから導かれる政策的主張として不況時には関税を引き上げて保護主義(鎖国)に走ることが合理化されています。本気か?いや正気でしょうか?各国が保護主義に走れば、世界経済はますます萎縮する「合成の誤謬」に陥るだけでしょう。
最後に今回のバブルと金融危機は、金融工学がもたらした災いであり、金融工学の発展を可能にしたのはコンピューターであるから、金融危機の根本的な原因はコンピューターの父、ノイマンにあるという議論が展開するに至っては、トンデモ論ではないでしょうかね。 posted by Max-T [2009-07-20]
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わかりやすい視点(評価点:5)
現実の経済を真に理解し対応していくために必用な考え方を、わかり易く説明している好著。著者は、実社会との親和性の高いオペレーションズリサーチの専門家である。これまでの経済学を批判するのではなく、局面ごとに理論化されたものとして捉え全体像を説明する、いわばメタ経済学とも呼べる思想が満ち溢れている。平易な文章や具体的な歴史的事例を使いながら、概念としてはやや難しい理論を丁寧に説明しているので、一般の読者にも読みやすい。 posted by Mark [2009-06-29]
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